未完で甘露な日常

蜜柑は柑橘 日々を満喫

オタク彼是 その肆「オタク×解釈違い」

 

 

mikankanro.hatenablog.com

 

 

【CP話注意】


先日のエントリにて『非公式CP』について言及したが、それと同じくらいオタク界隈で火種の元となりうる(と私が思っている)のが所謂『解釈違い』という現象である。言ってしまえば『=正解』が成り立つのは原作側から提示されている情報のみで、それ以外の解釈は全て憶測上(≒若しくは≠)のものでしかない。構図としては実にシンプルなのだが、では全ての答えが原作に示されているかと問われればそういう訳ではない。例えばAというキャラクターがいるとして、『AはBが恋愛的に好き』という描写が作中にあれば、『AはBが好き』と確実に言えるだろう。では『AはBとめちゃくちゃ仲良し』という描写だったらどうだろうか。『AはBとめちゃくちゃ仲良しだからAはBが好き』と捉えるか、『AはBとめちゃくちゃ仲良しだけどあくまでも友達の一人としてしか見てないよ』と捉えるか……。実際はもっと様々なキャラ同士の感情の入り乱れや受け取り手の多様な考え方があって複雑化しており、つくづく模範解答の無い国語問題を解いているようなものだと思う(誰に強制されている訳ではないのだけれど)。


『行間を読む』という言い回しがあるが、同人的な意味ではもはや『行間を作り出す』と表した方がいいのかもしれない。自身の体験で恐縮だが、数年前にハマっていたとあるカプ――便宜上『C×D』と表現する――がある。CとDは作中ではあまり仲が良いような描かれ方をしておらず、Cに至ってはDを疎ましくすら思っていた。けれども、結果的にそのカプは同作品の中でもぶっちぎりの人気を得た。二次創作も続々とpi◯ivに投稿された。当時の私は次から次へと供給される作品を追うのに精一杯だったが、野暮な指摘だろうが内容的には原作の関係性とは異なっていたような気がする。『CがDを疎ましく思うのは実は構ってほしいから』とか、『嫌われていてもDはCへの密かな想いを捨てられない』とか、そんな展開が主流だった。そして上手な方は原作の描写一つ一つを拾い集め、『CxD』を成立させるために説得力を持たせるような構成を練っていたのだ。そこまでいくと、もはや解釈がどうと言うより、如何に読者に『そういう展開もあり得るよね』と思わせた者勝ちじゃないかとさえ思えてしまう。しかし、実際はこの塩梅が非常に難しい。


果たして『原作に描かれないものを求めるのが二次創作じゃん!』と思うか『そこは原作をきっちり踏襲すべき!』と思うか……貴方は、どう解釈しますか?