未完で甘露な日常

蜜柑は柑橘 日々を満喫

うまぴょい!うまぴょい!(ウマ娘二期について)

おかえり、トウカイテイオー

 

 

mikankanro.hatenablog.com

 

先日のエントリでアニメウマ娘の一期に触れた。その後二期まで無事完走したので、興奮覚めやらぬ内に感想をしたためておこうと思う。


※筆者は競馬の知識(史実関係含む)は全く無く、視聴開始時点ではアプリとアニメの事前知識且つ下調べ等も行っていない事を予めお伝えしておく。


まず一期との違いとして、主人公がスペシャルウィークからトウカイテイオー(以下テイオーと表す)にバトンタッチとなった。前期のストーリーを一言で表すなら、『ステップアップ・シンデレラストーリー』とでもなるのだろうか。全体の雰囲気が明るく、挫折を経験しながらも前へ突き進む展開はまさしく王道アニメであった。コメディの中に真面目さの芯が通った良いスポ根アニメだな~と思いつつ、二期も同様な感じになるかな?と軽い気持ちで視聴を開始して、1話、2話…と観進めていく内に段々と私は察した。


これ(二期)、めちゃくちゃ重いストーリー展開じゃないか?、と。


三冠、無敗、最高の舞台でのマックイーン(ライバル)との勝負、運命は一体どこまでテイオーから夢と目標を奪うつもりなのか…。一期からの明るさ全開だった彼女が絶望する度に、観ているだけのこちらも心が抉られるようだった。途中から、何故ここまで重く辛いストーリーなのだろうと、正直登場人物達をここまで徹底的に打ちのめさせる必要はあるのだろうかと不思議に思った。

終盤、マックイーンは不治の病に冒される。自暴自棄になる彼女にテイオーは『奇跡を起こす』と宣言した。アニメやドラマ等でよく用いられる言葉だが、私はあまり『奇跡』という言葉を多様するのは好きではない。ほぼ100%起こり得ないからこそ奇跡であって、そう何度も奇跡が起こっては(創作にそこまで突っ込むのは野暮な話ではあるが)その価値が下がってしまうと思ってしまうからだ。テイオーが三度目の怪我をした時にマックイーンが彼女へかけた『奇跡は起きる』という言葉も、その時点ではどこか遠くで聞こえる綺麗な言葉だなと感じる程度だった。それが私の中で、12話のラストでその台詞への印象が完璧に引っくり返った。ずっと辛酸を舐めてきたテイオーだからこそ、彼女の目標であり続けたマックイーンに希望を見せるために放った言葉だからこそ、それはとても尊い決意だと感じられた。ここまでの視聴者の心を折るような積み重ねは、全て最終話の奇跡の復活というカタルシスに誘うためなのではないかと、その構成の意図する(だろう)ものに私はやっと気付いたのだ。


面白かったと思うアニメは多々あるけれど、何だか久々に「観て良かったな」「何か心に残ったな」と思えるような全13話だった。